腸活に最適! 免疫をサポートする伝統食「昆布」の健康効果

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日本人の腸内環境は、世界的に見ると良好な状態にあるといわれています。というのも、日本には昔から味噌や醤油、納豆、ぬか漬けといった発酵食品が食べられているほか、海藻を食べる習慣があるからといわれています。

それを表す典型的な特徴が、日本人と欧米人の海藻の消化機能の違いです。

日本人の大半は海藻を消化するのに必要な腸内細菌(バクテロイデス・プレビウス(Bacteroides plebeius))を持っていますが、欧米人の多くはこれを持っていないため、海藻をうまく消化することができません。

このように、腸内環境や体質には、その土地の食文化や歴史の中で培われてきた遺伝的な記憶が深く関わっています。

幸いにも海藻を問題なく食べられる私たちにとって、昆布やわかめ、海苔といった海藻は、免疫力を高めて健康を維持するのに役立つ健康食品です。

今回は、腸活にも役立つ「昆布」の健康効果について解説します。北海道の郷土料理「松前漬け」を、手軽かつ簡単に作れるオリジナルレシピも紹介するので、美意識が高い方やグルメな方はぜひ試してみてください。

昆布の栄養素と健康効果

昆布に含まれる主な栄養素と健康効果は、次の表の通りです。

栄養成分含有量(100gあたり)健康効果
アルギン酸(食物繊維)約23.0gコレステロール低下、血圧調整、腸内環境改善、便秘予防
フコイダン(食物繊維)約8.5g免疫力向上、抗ウイルス作用、抗がん作用、血流改善
カルシウム約820mg骨や歯の強化、骨粗しょう症予防
カリウム約6,100mg余分なナトリウムの排出、むくみ防止、高血圧予防
マグネシウム約520mg筋肉・神経の正常な働きを維持、血圧調整
ヨウ素約23,000μg(23mg)甲状腺ホルモンの生成をサポート、新陳代謝促進
約2.8mg貧血予防、疲労回復、酸素供給のサポート
ビタミンK約66μg血液凝固を助ける、骨の健康維持
ビタミンB群(B1・B2など)B1: 約0.10mg / B2: 約0.20mgエネルギー代謝を促進、疲労回復、脳の働きをサポート
EPA(エイコサペンタエン酸)約0.1g血液サラサラ効果、動脈硬化予防、心血管疾患リスク低減
グルタミン酸(うま味成分)約2.2g脳の活性化、記憶力向上、ストレス軽減
ポイント
  • ヨウ素の含有量が特に多いため、過剰摂取に注意(目安は1日あたり3,000μg以下)。
  • 食物繊維が豊富で、腸内環境の改善や血糖値の上昇を抑える効果が期待できる。
  • カリウムが多く含まれるため、高血圧予防やむくみ防止に役立つ。

昆布には免疫力を高める成分が含まれており、健康維持に役立ちます。特にフコイダンという水溶性食物繊維は免疫細胞の働きを活性化し、ウイルスや細菌から体を守る効果に期待されています。フコイダンはナチュラルキラー細胞(NK細胞)を刺激し、体内の異常な細胞を排除する働きを強化するため、風邪や感染症の予防にも役立ちます。

また、昆布に含まれるアルギン酸という水溶性食物繊維は腸内環境を整え、善玉菌を増やすことで免疫機能を向上させます。

腸は体全体の免疫の約70%を担っているため、腸内環境を良好に保つことが免疫力アップにつながります。さらに、昆布に含まれる抗酸化作用のある成分(フコイダン、フコキサンチン、ポリフェノールなど)が細胞のダメージを防ぎ、免疫機能の低下を抑える効果にも期待されています。

ただし、ヨウ素の過剰摂取には注意が必要です。甲状腺ホルモンのバランスが崩れると、免疫機能にも影響を与える可能性があるため、適量を摂取しましょう。

昆布の効果的な食べ方

昆布を使ったもっともポピュラーな料理は、やはり昆布だしを使用した味噌汁でしょうか。昆布だしを取ると、昆布に含まれる水溶性食物繊維や各種栄養素が汁へと溶け出すので、栄養素がたっぷり含まれた味噌汁になります。

とはいえ、実はアルギン酸はだしに出にくいため、昆布のだし殻にはアルギン酸がたっぷり残っています。その他、他の栄養素も以下の通りだし殻に留まります。

だし殻昆布に残っている栄養成分
アルギン酸95%以上
マグネシウム55%以上
カリウム15%以上
ヨード10%以上

布の栄養をしっかり摂取するには、だしとして使うだけでなく、丸ごと食べることが大切です。昆布のつくだにや松前漬けなどは、昆布の健康効果を存分に活かせるおすすめの食べ方です。

松前漬けとは

松前漬けは、北海道の特産品である「がごめ昆布」を使用して作る昆布の漬物で、北海道の郷土料理であり名物料理でもあります。

がごめ昆布は北海道函館近海や室蘭の沿岸で採れる昆布で、食感がヌルヌルネバネバしているのが特徴です。一般的な昆布よりもフコイダンやアルギン酸を多く含み、免疫力向上や腸内環境の改善に優れた効果を発揮します。

北海道外ではがごめ昆布の入手が困難なので、今回は代用品としてめかぶを使用した「松前漬け風」のレシピをご紹介します。

本場函館市出身の料理家が監修した当サイトオリジナルレシピです。余計な添加物を使わない健康志向かつ美食志向のレシピなので、健康に配慮している方、美容に気をつけたい方、おいしいものが好きな方、お酒が好きな方はぜひ試してみてください。難しい工程や技術を要さず、料理初心者でも簡単に作れる再現性の高いレシピです。

松前漬け風のレシピ

本場の松前漬けは、がごめ昆布を使ったヌルヌルネバネバが醍醐味ですが、今回はめかぶを利用してヌルヌルネバネバを再現したレシピをご提案します。めかぶであれば日本全国どこでも手に入れやすいので、お近くのスーパーなどで探してみてください。

材料

  • めかぶ…50g
  • きざみ昆布(乾燥)…20g
  • 鯛(または平目)の刺身…5切れ程度
  • いかの刺身…1人前
  • にんじん…10g
  • 酒…200ml
  • みりん…大さじ1
  • 醤油…大さじ2
  • 塩…1つまみ

松前漬け風の作り方

  • STEP 1
    きざみ昆布を戻す

    酒とみりんを鍋で煮切ったらボウルに移し、きざみ昆布を漬けて自然に冷ます。

  • STEP 2
    にんじんを加熱する

    鍋に湯(分量外)を沸かし、千切りにした人参をさっと湯に通してすぐにザルにあけ、自然に冷ます。

  • STEP 3
    刺し身をカットする

    魚やいかの刺身はそのままだと大きいので、それぞれ半分~1/3程度の大きさにカットする。

  • STEP 4
    すべての材料を混ぜる

    STEP1が冷めたら、STEP1の汁ごとすべての材料をよく混ぜて完成。

ポイント
  • 完成した松前漬け風のネバネバが重すぎて食べにくい場合は、水または煮切った酒を少しずつ加えて調性してください。
  • コクが欲しい場合は、砂糖を小さじ1/2ほど加えてみてください。できるだけ砂糖を使いたくない場合は、甘酒を代用するのがおすすめです。甘酒の作り方はこちら。

昆布を食べて腸と免疫を整えよう

昆布は、腸内環境を整えるアルギン酸や免疫力を高めるフコイダンを豊富に含み、健康維持に役立つ優れた食品です。特に、日本人は海藻を消化しやすい腸内細菌を持っているため、昆布の栄養をしっかり活かすことができます。

また、昆布はだしとして使うだけでなく、松前漬けや佃煮などで丸ごと食べることで、食物繊維やミネラルを効率よく摂取できます。今回紹介した松前漬け風レシピを参考に、昆布料理を日々の食事に取り入れてみましょう。昆布を上手に活用することで、腸活と免疫ケアを同時に叶え、健康的な毎日の実現が近づくはずです。