私たちが日常的に口にする食品には、多くの食品添加物が含まれています。食品添加物には保存性を高めたり見た目を良くしたりするメリットがある一方、健康への影響が懸念されるものもあります。
本記事では、食品添加物の基本的な役割や概要を簡単にお伝えするとともに、注意したい食品添加物を一覧にし、それぞれのメリットとデメリット、注意点などについてまとめています。各種添加物の役割や注意点について知りたい方は参考にしてください。
食品添加物とは

日本には、食品の安全を確保し国民の健康を守るため、1950年に施行された「食品衛生法」が定められています。
食品衛生法では、食品に使用できる食品添加物を指定・規制したり、残留農薬や動物用医薬品の基準を定めたりしているほか、容器包装や調理器具など、食品と接触する素材の安全性を確保したり、食品工場や飲食店などの衛生基準を定め、サービスにおける衛生管理の向上に努めたりしています。
加工食品の成分表示やアレルゲン表示など、消費者の健康被害を予防するために食品表示のルールを定めているのも食品衛生法です。
さて、厚生労働省所管の食品衛生法において使用が認められている食品添加物は、「指定添加物」「既存添加物」「一般食物添加物」「天然香料」の4種類です。
| 種類 | 概要 | 主な食品添加物 |
|---|---|---|
| 指定添加物(合成添加物) | 天然・合成などの製造方法に関わらず、安全性や有効性について食品安全委員会の評価を受けたもの。 | ソルビン酸、キシリトールなど |
| 既存添加物(天然添加物) | 化学合成品以外の添加物のうち、日本国内において広く使用され、長い食経験があるもの。 | クチナシ色素、タンニンなど |
| 一般食物添加物 | 食品として飲食に利用される一方で、食品添加物としても使用されるもの。 | イチゴジュース、寒天など |
| 天然香料 | 動物や植物を起源とする天然の物質のうち、香りづけを目的に使用されるもの。 | バニラ香料やカニ香料など |
食品添加物の目的
食品添加物を使用する目的は、主に次の通りです。
- 食品の保存性を向上させる
- 食中毒などの事故を予防する
- 食品の見た目を美しくする
- 食欲をそそる色や香りをつける
- 食味を向上させる
- 生産コストを削減する
- 品質を安定化させる
- 栄養価を高める
食品添加物に認定されているものはすべて、厚生労働省により安全性が認められたものですが、一部の物質は大量に摂取することで健康リスクが懸念されるため、一日に摂取する量の上限が定められています。また、食品添加物の中には発がん性が指摘されるものもありますが、基本的に「一般的な摂取量であれば健康リスクをさほど心配する必要はない」と考えられています。
一方、日本の食品衛生法による食品添加物の安全性の調査は、各主成分単体に対して行われており、複数の食品添加物を同時に摂取したケースが想定されていません。実際に食品添加物を日常的に摂取し、心身のパフォーマンスが落ちたり体調を崩してしまったりといったエピソードは枚挙に暇がありませんし、欧米諸国で使用が禁止されている成分が、日本国内では許容されているという現実もあります。
こうした背景から、できるだけ食品添加物が含まれていない食品を口にしたいという人も多いのではないでしょうか。
次項では、注意したい食品添加物の一覧とともに、各種食品添加物のメリットとデメリットを解説します。
注意したい食品添加物一覧

亜硝酸ナトリウム(発色剤)

亜硝酸Naは、ボツリヌス菌対策としてハムやソーセージなどに添加される合成物質。JECFAは発がん性を否定しているが、体内でアミンと結合し「ニトロソアミン」という発がん性物質に変化する可能性が指摘されている。
アスパルテーム(合成甘味料)

砂糖の約200倍甘い合成甘味料で、飲料や菓子に使用される。JECFAはADIを40mg/kg体重/日と定め、EFSAも安全性を再確認。一方、動物実験や疫学研究ではがんリスク上昇の可能性が示唆されている。
アセスルファムK(合成甘味料)

アセスルファムKは砂糖の200倍甘い合成甘味料で、アスパルテームと併用されることが多い。研究では、長期摂取により腸内細菌のバランスが崩れたり、糖尿病予備軍の症状や脂肪細胞の増加などの影響が示唆されている。
安息香酸ナトリウム

飲料の保存料として使用されるが、ビタミンCと反応すると発がん性物質「ベンゼン」を生成する可能性がある。2006年には英国と日本で基準値超過が確認され、一部製品が回収。摂取時は成分表示の確認が重要。
カラギーナン(ゲル化剤など)

紅藻(こうそう。海藻の一種)由来のゲル化剤で、アイスやゼリーに使用される。WHOは安全とするが、動物実験で炎症性大腸炎や結腸がんのリスクが指摘され、EUでは乳児用粉ミルクで禁止。日本では規制がないが、一部で自主規制の動きがある。
合成着色料

特にタール系色素は発色が良く安価な合成着色料で、かつて日本では24種類が認可されていたが、発がん性などの懸念から現在は11種類に制限。赤色3号・102号、黄色5号、青色1号・2号などが使用され、多くの国で規制や注意喚起が行われている。
臭素酸カリウム(パン生地改良剤)

パンの膨らみや食感を向上させる合成物質で、焼成時に分解されるため日本では使用が許可されている。しかし、発がん性が指摘され、IARCは「発がん性の可能性あり」と分類。EUでは使用禁止されており、購入時の確認が推奨される。
ソルビン酸カリウム(合成保存料)

弁当や加工食品、日用品に使われる合成保存料で、体内に蓄積されず排出される。しかし、腸内善玉菌の減少や、亜硝酸ナトリウムとの反応による遺伝毒性の可能性が指摘されており、過剰摂取に注意が必要。
乳化剤(エマルシファイヤー)

乳化剤はパンなどに使用され、油と水を混ぜて質感を改善する。大量摂取で腸内環境を変え、炎症や肥満リスクを高める可能性が指摘されているが、影響の程度は不明。厚労省の基準内で適切に摂取すれば安全とされるが、長期的影響には今後の研究が必要。
BHT、BHA(酸化防止剤)

BHA・BHTは酸化防止剤で、バターやインスタント麺など加工食品の酸化防止に使用される。BHAはラットの前胃で発がん性が指摘され、弱い女性ホルモン作用も確認されている。日本では厳しい摂取基準が設けられており、食品や薬品の成分表示を確認し、過剰摂取を避けるのが望ましい。
OPP、TBZ(防カビ剤)

柑橘類に使用される防カビ剤で、日本では食品添加物として認可。動物実験では奇形やがんの発症リスクが指摘されている。果肉にも残留するため、摂取を避けるにはアルコールで拭き取るか、国産品を選ぶのが望ましい。
食品添加物と上手に付き合うために
食品添加物は、食品の保存性を高めたり、見た目や風味を向上させたりするメリットがあります。しかし、一部の添加物には健康への影響が懸念されるものもあり、摂取量や組み合わせによってはリスクが生じる可能性があります。
すべての食品添加物が危険というわけではありませんが、安全性を理解し、過剰に摂取しない工夫が大切です。なぜなら、食品添加物の過剰な摂取は、肝臓に負担をかけたり腸内環境を悪化させたりし、免疫力を低下させる可能性が高いからです。
食品表示を確認し、できるだけ添加物の少ない食品を選ぶ、加工食品の摂取を控えめにするなど、日々の食生活で意識することが重要です。
食品添加物と上手に付き合いながら、健康的な食生活を心がけましょう。


