免疫力を高める“ファイトケミカル”を豊富に含む食べ物一覧

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私たちの体には、ウイルスや細菌を排除する「免疫力」が備わっています。しかし、ストレスや生活習慣の乱れ、加齢などによって免疫力が低下することがあります。そこで注目されるのが、植物に含まれる健康成分「ファイトケミカル」です。

ファイトケミカルを豊富に含む食品を積極的に摂取することで、免疫力を向上させ、健康をサポートすることができます。今回は、ファイトケミカルの効果や種類、そしてそれらを多く含む食品について詳しく解説します。

ファイトケミカルとは

ファイトケミカルは、「植物(phyto)」と「化学物質(chemical)」を組み合わせた言葉です。「ファイト(Fight)」と「化学物質(chemical)」を組み合わせた言葉だと誤解している人がいるかもしれませんが、実は「植物に由来する天然の健康成分(Phytochemical)」という意味なのです。

ファイトケミカルは、植物が紫外線や害虫、病原菌などから身を守るために作り出す天然の化合物です。これらの成分は、人間が摂取すると抗酸化作用や免疫機能の向上に寄与し、健康をサポートすると考えられています。

また、ファイトケミカルはビタミンやミネラルとは異なり、人間にとって必須栄養素ではないものの、健康維持に役立つ「第七の栄養素」と呼ばれています。特に免疫力を高める働きが期待されることから、近年の健康志向の高まりとともに注目を集めています。

ファイトケミカルの効果

ファイトケミカルには、以下のような健康効果があるとされています。

抗酸化作用

ファイトケミカルは、活性酸素を除去する強力な抗酸化作用に期待されています。活性酸素は、ストレスや紫外線、環境汚染などの影響で体内に発生し、細胞を傷つけ、老化や生活習慣病の原因になります。ファイトケミカルを摂取することで、これらの酸化ストレスを抑え、健康を維持しやすくなります。

免疫力の向上

ファイトケミカルの中には、免疫細胞の働きを活性化するものがあり、ウイルスや細菌の侵入を防ぐ力を強化します。風邪やインフルエンザ予防だけでなく、がん予防にも役立つとされています。

抗炎症作用

慢性的な炎症は、心血管疾患や糖尿病、関節炎などの原因となります。ファイトケミカルには炎症を抑える作用があり、これらの疾患の予防や改善をサポートします。

デトックス効果

ファイトケミカルの一部には、体内の有害物質を排出するデトックス効果(解毒作用)があります。肝臓の解毒機能をサポートし、老廃物を効率よく排出することで、健康をサポートします。

ファイトケミカルが体に良い理由

ファイトケミカルが体に良い理由には、「活性酸素」が密接に関係しています。ファイトケミカルには、活性酸素から体を守る作用があるのです。

活性酸素は、呼吸などによって体の中に取り入れられた酸素が、エネルギーに変換される際に生まれる物質です。体内に取り入れられた酸素の数%が、活性酸素になるといわれています。

また、以下の要因も活性酸素を生み出す原因になるといわれています。

  • 太陽の紫外線や酸性雨
  • 喫煙や暴飲暴食、激しい運動
  • 細菌やウイルス
  • 自動車の排気ガス
  • 洗剤や柔軟剤などの化学物質
  • ダイオキシンや環境ホルモンなど

活性酸素は免疫機能をサポートしたり細胞の情報を伝達したりしますが、強力な酸化作用があるため、増えすぎると体が強い酸化ストレスによりダメージを受け、老化・疲労・炎症といったトラブルにつながります。

ファイトケミカルには、こうしたトラブルの原因となる「活性酸素」を抑制するはたらきがあります。

ファイトケミカルの種類

ファイトケミカルには多くの種類があり、それぞれ異なる健康効果を持ちます。代表的なものを以下に紹介します。

ポリフェノール

ポリフェノールは、抗酸化作用が非常に強いファイトケミカルの一種です。細胞の酸化を防ぎ、老化の抑制や動脈硬化の予防に効果があります。

ポリフェノールは、植物が紫外線や害虫などから身を守るために作り出す強力な抗酸化作用を持つファイトケミカルの一種です。数千以上の種類が存在し、それぞれ異なる健康効果を持つことがわかっています。活性酸素を除去する抗酸化作用のほか、免疫力の向上や抗炎症作用、血管の健康を維持して動脈硬化などの予防効果、腸内環境の改善といった効果に期待されています。

以下は、代表的なポリフェノールです。

  • フラボノイド(カテキン、アントシアニンなど)…お茶やベリー類に含まれ、抗酸化作用が強い。
  • レスベラトロール…赤ワインやブドウの皮に含まれ、心血管疾患の予防に役立つ。
  • イソフラボン…大豆に含まれ、女性ホルモンと似た働きを持つ。
  • エラグ酸…ベリー類やざくろに含まれ、抗酸化作用や脂肪の分解促進などのはたらきを持つ。
  • クルクミン…ウコンなどに含まれ、肝機能改善や抗炎症作用などに期待できる。

カロテノイド

カロテノイドは、緑黄色野菜や果物に含まれる色素成分で、強い抗酸化作用があります。

カロテノイドは、緑黄色野菜や鮮やかな色彩を持つ植物、一部の藻類などに含まれる赤・黄・オレンジの色素成分で、強力な抗酸化作用を持つファイトケミカルの一種です。体内ではビタミンAに変換されるものもあり、免疫機能の強化や細胞の保護に重要な役割を果たします。

以下は代表的なカロテノイドです。

  • β-カロテン…ニンジンやカボチャに多く含まれ、体内でビタミンAに変換される。
  • リコピン…トマトに豊富で、動脈硬化やがんの予防に役立つ。
  • ルテイン・ゼアキサンチン…ホウレンソウやケールに含まれ、目の健康を守る。

含硫化合物 

含硫化合物(がんりゅうかごうぶつ)は、ニンニクやタマネギなどに含まれる硫黄化合物で、免疫力向上や抗菌作用に期待できます。

  • アリシン…ニンニクやタマネギに含まれ、抗菌・抗ウイルス作用がある。
  • イソチオシアネート…ブロッコリーやワサビに含まれ、解毒作用や抗がん作用がある。

その他

  • クロロフィル(葉野菜)…デトックス作用
  • サポニン(高麗人参、大豆)…免疫力向上、抗菌作用
  • テルペノイド(柑橘類、ハーブ)…抗炎症、リラックス効果
  • フィトステロール(植物ステロール)…免疫調整、抗炎症作用

ファイトケミカルを豊富に含む食品一覧

食品名主なファイトケミカル健康効果
赤ワインレスベラトロール心血管疾患予防
大豆イソフラボン、サポニンホルモンバランス調整
トマトリコピン動脈硬化予防、抗酸化
にんじんβ-カロテン免疫力向上、抗酸化
にんにくアリシン免疫力向上、抗菌
ブロッコリーイソチオシアネート抗がん、解毒
ブルーベリーアントシアニン眼精疲労改善、抗酸化
ほうれん草ルテイン、クロロフィル目の健康、デトックス
緑茶カテキン抗菌、脂肪燃焼促進

ファイトケミカルで免疫力を高めよう!

ファイトケミカルは、植物由来の健康成分で、免疫力向上や抗酸化作用、抗炎症作用など多くの健康効果があります。ポリフェノール、カロテノイド、含硫化合物など多くの種類があり、それぞれ異なる働きを持つため、バランスよく摂取することが重要です。

サプリメントなどで特定のファイトケミカルを摂取するより、さまざまな成分をバランス良く摂取した方が健康へのメリットが大きいと言われているので、本記事で紹介したファイトケミカル一覧表を参考に、日々の食事に野菜や果物を取り入れ、健康的な生活を送りましょう。

【参考サイト】
医療法人社団 玲瓏会 金町中央病院「「ファイトケミカル」とは?」
公益財団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット「ファイトケミカルとは」