健康の秘訣は「気楽に生きる」こと!現代を気楽に生きる7つのレシピ

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健康的な日々を謳歌している人たちを観察していると、ある共通点に気が付きます。それは、彼らが人生を心から楽しみ、人とのつながりを大切にしていることです。

彼らの生き方は「気楽」そのもののように見えます。

そういえば、100歳以上の方が多く暮らす長寿地域である「ブルーゾーン」には、日本の長寿地域である沖縄が含まれています。沖縄のゆったりとした独特な時間感覚「ウチナータイム」は、まさに「気楽さ」の象徴と言えるのではないでしょうか。

今回は、健康の秘訣である「気楽さ」の大切さと、現代社会を気楽に生きるテクニックをご紹介します。

「気楽さ」はなぜ健康に良いのか

人間の体は、感情に応じてさまざまな反応を示します。たとえば、笑うとエンドルフィンなどの幸福ホルモンが分泌され、体内の血液や組織液中に存在する抗体の一種であるIgA濃度が上昇します。怒るとアドレナリンやノルアドレナリンが分泌されて疲労感を生んだり、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されたりします。

さて、「気楽な状態」というのはリラックス状態であり、感情や心が穏やかに安定しています。怒っているときとは反対に、セロトニンやオキシトシンといった幸福ホルモンが分泌され、幸福感が得られるだけでなく、免疫力の向上にも寄与します。

また、リラックス状態にあると呼吸が深くゆっくりになり、酸素が全身に行き渡りやすくなるほか、心拍数と血圧が低下し、心臓への負担が軽減されます。さらに、筋肉の緊張がほどけて疲労回復が進んだり、自律神経が整うことで免疫力や内臓機能が安定するといった効果も。

このように、心身がリラックスした状態にあったり、希望に満ちた楽観的な状態にあったりすると、体内のポジティブな化学物質が体を生理学的に休息させ、副交感神経を優位に働かせます。この休息状態こそ、体が備えている自己修復能力を活性化させるのに必要なものなのです。

つまり、気楽に生きるということは、副交感神経を刺激し、体に生理学的な休息を与え、自分の体の修復能力を最大限に高めるということなのです。

逆に、常にプレッシャーや焦りを感じているような状態だと、脳はその状況を脅威と受け止め、ストレス反応が起こります。体のコンディションを保つことを二の次に、脅威への対応を最優先するため、自己修復能力が遮断されて免疫能力が一気に落ちてしまうのです。

沖縄とロゼトに学ぶライフスタイル

日本が世界に誇る長寿地域である沖縄の人たちの長生きの秘訣は、もしかするとウチナータイムのゆったりとしたライフスタイルかもしれません。もちろん、低カロリーで栄養豊富な伝統的な食文化や、日常的に体を動かすライフスタイル、温暖で気持ちのいい気候と自然環境も影響しているでしょう。

“がん”はなぜ治るのか ~がんが治癒した5つの事例~」では、米国のペンシルバニア州にあるロゼトという町で確認された「ロゼト効果」を紹介しています。この町の住人の心臓病発生率の低さに関心を示した2人の医学スペシャリストは、調査の結果、ロゼトの住人の心臓病の発生率の低さは「家族の強い絆や社会との関わり、人との充実した協力関係が理由である」と結論しました。

興味深いことに、沖縄にも「ユイマール(助け合いの精神)」や「模合(地域の互助会)」といった、人とのつながりを大切にする文化があります。人とのつながりやコミュニティへの参加は孤独感を遠ざけ、安心や勇気を与えてくれます。その結果、肩ひじ張らず気楽に生きられる土壌が整えられるのです。ロゼトと沖縄の、無視できない共通点の一つといえるでしょう。

現代人の危険なライフスタイル

東京をはじめ、現代人のライフスタイルは、沖縄のウチナータイムやユイマールとはむしろ対称的で、人とのつながりが希薄だったり、仕事のストレスやプレッシャーに常にさらされていたりする人が増えています。日本経済の低迷や物価高騰などにより、金銭的に逼迫する人も増加傾向にあります。明確な夢や目標もなく、人生の楽しみ方もわからず、暗中模索する気力もない中で、人生に希望を持てずに生きる人は、これからさらに増えるのかもしれません。

事実、恋愛や結婚をあきらめる人が増え、今後は少子高齢化にますます拍車が掛かり、日本の状況はさらに深刻さを増すことが予想されています。

こうした環境や状況で、長い間にわたり鬱々とした気持ちで生きていると、ストレス反応が繰り返し起こり、ストレスホルモンにより全身の細胞がダメージを受けます。特に劣悪な労働環境や生活環境にあると、心身は日ごとにダメージを蓄積していきます。免疫力も低下して自然治癒力も十分に働かなくなり、やがて細胞の修復が追い付かなくなると、そこからさまざまな病気が発病する可能性が高まるのです。

特に近年は新興感染症の流行により、いっそう免疫力が試される局面にあります。こんなときだからこそ、人生をしっかりと舵取りする必要があります。

次項では、現代を気楽に生きる7つのレシピを紹介します。

現代を気楽に生きる7つのレシピ

現代を気楽に生きるためのテクニックを紹介します。いずれもすぐに実践できる、比較的手軽な方法を厳選しました。この7つのテクニックこそ、体と心に癒やしの奇跡を生み出すレシピです。

1.目標を持つ

どんな内容でも構わないので、夢や目標を持ちましょう。実現できるかどうかはそれほど重要ではありませんが、できれば実現可能な現実的な夢や目標であれば理想的です。

人間の生命力の源は「希望」です。しかし、希望はただ待っていれば勝手に生まれてくるわけではありません。希望を持つには未来志向の視点が必要で、未来志向の視点を持つのに効果的なのが、夢や目標を持つことなのです。

逆に、夢も希望もなく絶望すると、体の抗体レベルは一気に下がり、最悪の場合は死に至るケースも実際にあります。「あきらめが生命力を奪う「あきらめ症候群」のリスク」で詳しく解説した「あきらめ症候群」が、まさに典型的な例です。

あきらめが生命力を奪う「あきらめ症候群」のリスク
人生に挫折したり深刻な病に絶望したり……。生きているとさまざまな壁にぶつかったり苦悩を抱えたりするものです。そんな時、「負けてられるか!」とポジティブに奮起する人もいれば、「もうダメだ……」とネガティブに絶望する人もいるでしょう。 実は、物...

2.計画を立てる

夢や目標を持ったら、それを実現するための具体的な行動計画を立ててみましょう。計画といっても、完璧なものである必要はありません。ざっくりと「いつまでに何をしたいか」「そのために何が必要か」といったシンプルなもので十分です。

計画を立てることで、未来がより現実味を帯び、日々の行動に意味や方向性が生まれます。さらに、小さな目標でも達成することで自己肯定感が高まり、「自分にもできる」という前向きな気持ちが生まれます。

「気楽に生きる」とは、“何も考えずに流される”ことではありません。むしろ、ゆるやかな目標と道筋を持つことで、心の安定が得られ、日々をより気楽に楽しめるようになります。

3.物事を楽観的に見る

物事の捉え方ひとつで、心と体の状態は大きく変わります。何か悪いことがあっても、「きっとなんとかなる」「今は学びのとき」といった前向きな解釈をすることで、ストレスの感じ方がやわらぎ、免疫力の低下を防ぐこともできます。

米国認知治療研究所の創設者であり、国際認知療法学会の会長でもあるロバート・L・リーヒ博士は、著書「The Worry Cure(心配事の処方箋)」の中で、興味深い調査結果を紹介しています。
それは「心配性の人々を対象とした調査」に基づいたもので、以下のような内容です。

調査対象者の心配事のうち、約85%は実際には起こらなかった。さらに、実際に起きた15%のうちの80%は「自力で対処・解決可能」なものであり、本当にどうにもならなかった出来事は、わずか3%に過ぎなかった。

この結果はつまり、「97%の心配は現実には問題にならない」ことを示しています。

また、タウソン大学のサンドラ・リェーラ教授も同様の見解を示しており、過度な不安があたかも問題解決に役立っているような“錯覚”を生みやすいことを指摘しています。実際には、不安や心配の多くは「思考の中で作られたイメージ」に過ぎず、その多くは現実化しないことが科学的にも示されています。

こうしたデータや心理学的知見からも、「過去の出来事をくよくよ悩むことに意味はないし、未来に起こるかどうかわからないことを不安に思うのは、もっと意味がない」という言葉の重みが、より深く実感できるのではないでしょうか。

4.感謝を言葉にする

「ありがとう」という言葉は、心にも体にも良い影響を与える魔法の言葉です。感謝の気持ちを持つことで、オキシトシンやセロトニンといった幸福ホルモンが分泌され、心が温かく穏やかになります。

また、感謝を「言葉」にすることで、その効果は何倍にもなります。家族や友人、職場の人、あるいは自然や日常のささやかな出来事に対しても、積極的に感謝を伝えることで、ポジティブな人間関係が築かれ、気楽で安心できる環境が生まれていきます。

5.自分の時間を作る

忙しい毎日の中でも、「自分のためだけの時間」を意識的に作ることが、心のゆとりを保つ秘訣です。読書、散歩、音楽、ひとりカフェ、何でも構いません。「誰のためでもなく、自分のために過ごす」時間があると、人は自然と満たされ、余裕を取り戻せるようになります。

こうした時間は、ストレスの軽減だけでなく、自己肯定感や創造性の回復にもつながります。気楽さを育むには、まず自分を大切にすることが基本なのです。

6.リラックスタイムを作る

リラックスは「体のメンテナンス時間」です。副交感神経が優位になり、免疫力や自然治癒力が高まります。忙しい日々の中でも、意識的にリラックスタイムを取り入れてみましょう。

ぬるめのお風呂に入る、深呼吸をする、アロマの香りを楽しむ、好きな音楽を聴く、ヨガや瞑想を楽しむ――方法はさまざまです。大切なのは、頭も心も“がんばるモード”から切り替えること。1日たった10分でもいいので、意識的にリラックスできる時間を持つ習慣を作りましょう。

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リラックスがもたらす驚きの健康効果を解説。ストレスが免疫力や健康に及ぼす影響から、リラックスを取り入れた生活習慣の重要性についてまで解説します。安定したメンタルや心身の健康を促進するヒントをお探しの方はぜひご覧ください。

7.抗体源を増やす

抗体源とは「体の抗体レベルを高めてくれる源」のことで、元気や癒やし、勇気など、ポジティブな感情や感覚を与えてくれる存在すべてを指します。たとえばパートナーや家族、友人、仲間、ペットのほか、趣味を共有できるコミュニティや、気分よく過ごせる場所、安心を保証してくれる福祉制度やインフラなど、私たちを支援してくれるあらゆる人、組織、物などを指します。

抗体源は、安心や安堵感、信頼感、愛や絆などを与えてくれます。抗体源が多ければ多いほど、こうしたポジティブな感情要素も増え、免疫力を高めやすくなります。

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以上の7つのレシピは、すぐにすべて完璧にできる必要はありません。気になったものから少しずつ取り入れてみるだけでも、心と体は確実に変化していきます。

気楽に生きることは、決して“いい加減”に生きることではなく、“自分を大切にしながら、しなやかに生きる”ことなのです。

心配のほとんどは現実にならない。もっと気楽に生きよう

私たちが日々抱える心配ごとの多くは、実は実際には起こらなかったり、自分で対処できるものだったりします。リーヒ博士の調査によれば、約97%の心配は現実にならないとのこと。

過度な心配はストレスや不調を招くだけでなく、今を楽しむ力も奪ってしまいます。ストレスの多い現代社会だからこそ、沖縄のウチナータイムやユイマールを見習い、「自分一人で背負い過ぎない生き方」を目指しましょう。

完璧を求めず「今できることに集中する」「気楽に生きる」ことが、心と体の健康につながります。

【参考サイト】
TOWSON UNIVERSITY「Understanding why we worry may help us stop doing it」